ひと口に南部鉄器のすき焼き鍋といっても、大きさから形状、深さまでいろいろなものが揃っています。きちんと使えば、一生モノの鉄鍋。せっかくならば自分にぴったりのものを見つけ、長く付き合っていきたいもの。
そこで今回は、南部鉄器のすき焼き鍋を7年使ってきた僕が感じたことをもとに、すき焼き鍋の選び方のポイントをお伝えしたいと思います。少しでも参考になれば嬉しいです。
南部鉄器すき焼き鍋の選び方
まずは大きさ
前回の記事でも触れましたが、まずは大きさ選びが重要。ひとり鍋用の小さなものから多人数向けの大きなものまで、数センチ刻みでさまざまなサイズが展開されています。
小さいものはかさばらずに保管しやすいという利点はありますが、鍋を囲む人数も限られてしまい、過去の記事にも挙げたような汎用性をもたせることもちょっと難しいかも。
それでは逆に、少人数で大きめの鍋を使うと何か不都合があるのか?そう考えてみると、思い当たることはあまりありません。土鍋のようにある程度の水深が必要な鍋料理とは違い、すき焼きは鍋つゆで煮るのではなく焼く料理。割り下を使うとしても、ひたひたになるほど使うことはありません。
ですから、少人数で大きめの鍋を使っても全く問題はないと僕は思います。ある程度大きいほうがお肉を広げて焼けますし、野菜や焼豆腐といった具材も一緒に味を染み込ませやすくなります。
すき焼き鍋は、大は小を兼ねると僕は思っています。収納場所や重さなどの兼ね合いもあるでしょうが、できるならばある程度の大きさのものを選ぶことをおすすめします。ちなみに僕は、2人使用で26㎝のものを使っています。
深さはどれくらい?
これも前回の記事で書きましたが、深さに関してもさまざま。浅いものは食卓でつつきやすく、保管についてもかさばらないというメリットがあります。ですが壁が低い分油や煮汁が跳ねやすくなりますし、汎用性を持たせるにはあまり向きません。
逆に深いものならば、すき焼き以外にも使える用途は増えるでしょう。ですが、カセットコンロや卓上IHで使うシーンが多いすき焼き鍋。あまり深いものだと取り分けにくくなるため、そこは使用環境とのバランスが必要となってきます。
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持ち手の形状は?
これはあまり気にしないポイントかもしれませんが、持ち手の材質や形状についても重要。すき焼き鍋には一般的なつる式のものや両手鍋のように取っ手が付いているもの、金輪が付けられているものなどがあります。
また、つる式のものについては、表面が違う材質でできているものがあります。コンロでの使用は問題ありませんが、その耐熱性からオーブンでの使用時には取っ手を外すこととなります。
そもそも、卓上で使うことの多いすき焼き鍋。取っ手を使い持ち運びするシーンは、一体どれほどあるでしょうか。その点についても考え、自分に合ったものを選ぶといいですね。僕はつる式のものを買い、最初から持ち手を外して使っています。そうすると洗う部分も減って意外と便利。
装飾は必要?
生活用品であり、伝統工芸品でもある南部鉄器。中にはアラレや花の紋様などの装飾が施されているものもあります。僕も最初見たときはいいなぁと思いましたが、結局は装飾なしのシンプルなものを買いました。
というのも、やはり調理道具としての使用に関して心配があったから。鉄瓶など油を使わない使用方法ならば問題ありませんが、すき焼き鍋はどうしても油を使って調理をします。装飾の細かい凹凸の油分まできれいに取り除く自信がなく、隙間に汚れが溜まりそうだと思ったのです。
もちろん、装飾があるものは重厚感も増し、職人技を愛でつつ食べるすき焼きは一段とおいしく感じることでしょう。そのあたりは使い方や手入れに掛けられる時間や情熱と相談し、自分に合うものを選ぶことをおすすめします。
囲む人数に収納場所、すき焼き以外の使用の有無や見た目の好みまで。様々な製品がそろう南部鉄器のすき焼き鍋の中から、これまで挙げたような着眼点で自分にぴったり合う鍋を選んでみてください。鉄鍋は、きちんと使えば一生モノ。きっと、食卓の色々な場面で活躍してくれることと思いますよ。
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