ホームセンターから通販、プロの道具屋さんと、様々なところで販売している鉄の中華鍋。ですがその種類はあまりにも多く、サイズや鉄板の厚さ、形や製法まで、気にしはじめたらきりがないほど。
思い切って鉄の中華鍋を手に入れたとしても、自分に合わなければ長くは使えません。そこで今回は、一生モノの鉄の中華鍋の選びかたについてのポイントをお伝えしたいと思います。
鉄中華鍋の選びかた
片手鍋?両手鍋?
まずは一番大事なポイントから。中華鍋には、いわゆる北京鍋と呼ばれる片手鍋と、広東鍋と呼ばれる両手鍋の2タイプが売られています。鍋本体の機能としてはあまり差はないのでしょうが、意外とこの違い、大切だと思うのです。
僕が使っているのは、片手鍋タイプ。利点としては持ち手が熱くなりにくいので、ふきんを使わずとも素手で扱えます。いちいち鍋を触るごとに、ふきんを持ったり離したり。このちょっとした作業の繰り返しが、調理中の手間や面倒、ストレスにつながると思うのです。
ですが、そんな片手鍋にもデメリットが。まずは収納。とにかく柄の部分が長いので、結構なスペースをとってしまいます。そして何より、安定性に難あり。中華鍋用の五徳を使っていれば問題ないでしょうが、一般的な五徳だと不安定になりがち。特に鍋に食材が入っていないときなどは、バランスを崩して転げ落ちないよう注意が必要です。
一方の両手鍋はといえば、やっぱり収納場所を比較的選ばないのが一番のポイント。長い柄がない分、ひっくり返して他の鍋の上にかぶせる、なんてしまい方もできてしまいます。
でもこちらにもやはりデメリットが。持ち手は一応あるものの、ふきんは必須。素手では熱くて持てませんし、火との距離も近くなるのでやけどにも注意が必要になってきます。また、ふきんへの引火等の可能性も考えると、僕はやはり片手鍋がいいかなぁと思ってしまいます。
通常の鍋ならば、それほど気にならない片手と両手の差。ですが鉄の中華鍋を日々使うとなると、意外とその差は大きくなってきます。上に書いたようにどちらもメリット、デメリットがありますから、まずはそこを十分考えたうえで、自分の使い方に合うほうを選んだほうがいいですね。
薄くて軽いほうが断然いい!
鉄の中華鍋を日々使いたくなるかどうかは、これにかかっているといっても過言ではないでしょう。
「焼く」という調理法に向いているフライパンに比べ、中華鍋は「炒める」シーンで使う場面が多くなります。一度鉄の中華鍋を手にしたことがある方でしたら、そのずっしりとした重さを感じたことでしょう。
ただ持っただけで重い鍋。そこへ食材が入ってさらに重たくなり、振ったり盛り付け時に持ち上げたりは結構な重労働。僕も当初鉄の中華鍋の購入を半ばあきらめかけたのは、その重たさがネックだったから。
調理して、盛り付けて、洗って焼いて。取り出してからしまうまで、この重たさがついて回るかと思うと、使うのが億劫になりキッチンの肥やしにしてしまう自分が容易に想像できたのです。
ですからやっぱり、軽さは大事。中にはチタン製の軽量なものも売っていますが、やっぱりお値段が・・・。安いものはプレス製品が多く、どうしても重くなってしまう。そんなときに偶然に出会ったのが、打ち出し式で製品をつくる山田工業所の鉄の中華鍋でした。驚くほどに、本当に軽いのです。耐久性も扱いやすさも抜群で、この出会いがあったからこそ、今の僕の鉄鍋生活が始まりました。
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使いはじめの空焼き不要の製品が便利
「鉄のフライパンの選び方」でも触れましたが、鉄の中華鍋も基本的に錆止めの塗装がされており、使いはじめには長時間にわたる空焼きが必要です。
今のガスコンロは全口にセンサー設置が義務化されており、高温かつ長時間の焼き切り作業には向きません。中にはカセットコンロや鋳物コンロ等で丁寧に焼き切りをしている方もいますが、僕がやるかといわれればやっぱり面倒。
そこで便利なのが、空焼き不要の製品。工業的な錆止めの塗装ではなく、食用油が塗られているものが売っています。空焼き不要のものを買えば、表面の油を洗い流してくず野菜を炒めるだけで使用OK。買っただけで満足し、面倒な焼き切りに手がつけられない。なんて事態も防げます。
自分に合った大きさを!
他の鍋よりも大きくなりがちな、鉄の中華鍋。収納場所やコンロの大きさもあるので、大きすぎるものはちょっと不便。鍋が大きくなればなるほど重量も増し、シンクで洗うのも大変になってしまいます。
それならば小さめのものがいいかといえば、それもまた違う。チャーハン、炒め物、麻婆豆腐にかに玉・・・。食材を入れたらじっと待つものよりも、振ったり混ぜたりが必要なメニューが中華料理には多々あります。
また、特に炒め物などはたっぷりの野菜を使うため、生の状態では結構なかさになります。それをこぼさないように慎重に、でも動かさないと焦げてしまう。そんな神経を使いながら料理をしても、全然楽しくありませんよね。
ですからやはり、そこそこの大きさは必要。中の食材を気にせず扱え、でもキッチン周りのスペースや重さは許容範囲に収まるもの。そんなバランスの取れたサイズに出会えれば、おのずと使用頻度は上がるでしょう。
要するに、形や大きさをまず決めて、そこから軽いものや空焼きの有無などを絞っていけば、自分に合った鉄の中華鍋が見つかることでしょう。最低限、これさえあれば大方の料理は作れてしまう。万能選手ともいえる鉄の中華鍋を、ひとつは仲間にいれてみませんか?
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