煮込み料理を格段においしくしてくれる、南部鉄器の煮込み鍋。水分を使う料理に多く使用するので錆びてしまわないか心配に思えてしまいますが、そのお手入れは意外と簡単なもの。
使い勝手がよく頑丈で、扱い方も簡単。古くから日常生活を支えてきた伝統工芸品ならではの簡単お手入れを、6年間使い続けてきた僕がお伝えしたいと思います。
意外と簡単!南部鉄器煮込み鍋のお手入れ
とにかく急冷はダメ
南部鉄器の洗いかたで、やはりこれが一番おさえていなければいけないポイント。鍋が熱々の状態のまま水をかけると、割れたりひびが入ってしまう可能性があります。
とはいっても、煮込み鍋の用途ではあまりそのような状況にはならないかも。南部鉄器=急冷禁止、というのを頭の片隅に常に置いておいてくださいね、という程度です。
亀の子束子、やっぱり最強!
もうこれもさんざん他の記事に書いてきましたが、鉄製品を洗うには昔ながらの亀の子束子がとっても便利。
シチューやカレーといった頑固な汚れも、グラタンのチーズが鍋肌にくっついていても、水をはり亀の子束子でこすればたいていの汚れなら簡単に落ちてしまいます。コシがありつつ硬すぎない絶妙なバランスが、鍋肌を傷つけることなく汚れをかきとってくれます。
洗剤は使わない
この点についてもすき焼き鍋やグリルパンの記事で触れましたが、南部鉄器と洗剤の相性は最悪。鍋肌に必要な油分を取りさってしまうどころか、残った油分に吸着し樹脂の様なベトベトな状態になってしまうのです。洗うときは水やお湯で。洗剤の使用は避けることを強くおすすめします。
基本は水で、頑固な汚れにはお湯で
煮物やスープ、ポトフなど、油分の少ない料理に使った場合は水で洗うだけで簡単に汚れは落ちてしまいます。これまでの経験上、カレーやシチューなど頑固な汚れも、流水をかけつつ亀の子束子でシャカシャカやればきれいになります。
ただどうしても落ちないこびりつきやぬるつきが気になる場合は、お湯を使えば簡単きれいに。鍋に適量の水をはりしばらく火にかければ、鍋自体が温まり汚れや油分もはがれやすくなります。
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こすりすぎには要注意
そもそも頑固に焦げつくような調理には使わない煮込み鍋ですが、万が一こすらなければならないような状況になっても、こすりすぎには要注意。
水分と長時間接するような使い方をする煮込み鍋。鍋肌に傷がついてしまうと、そこから水分や塩分、トマトなどの酸が入り込み、錆びやすくなってしまいます。
南部鉄器は表面の黒い皮膜が快適に使うためのポイント。あまり神経を使う必要はありませんが、鍋肌を荒らさないようちょっとした優しさをもって洗ってあげてください。
基本的に油は塗らなくても大丈夫
ほかの鍋より水分を使う料理に使用する頻度の高い煮込み鍋ですが、基本的には保管するときに油を塗らなくても大丈夫。
ですが何度も煮物に使っていると鍋肌が白くなり、油分が抜けて見るからに荒れてきます。そうなったら、油を使うサイン。洗って空焚きした後、熱い状態のときに油を数滴たらしてキッチンペーパーで塗りひろげるだけ。熱で油が鍋肌になじみ、少ない量でもきちんと保護してくれます。
また、効果てきめんなのが揚げ物をすること。天ぷらや唐揚げ、フライなどを揚げれば、使用後の鍋肌はきれいな黒光りを取り戻します。煮込み鍋だからといって煮物ばかりするのではなく、調子を見つつ油物や炒め物などにも使ってみてください。
水分を使う料理に使用しがちな南部鉄器の煮込み鍋ですが、他の鍋との手入れの差はほとんどありません。ひとつだけ気にしてあげて欲しいのが、鍋肌の調子だけ。水分などで荒れやすいので、様子をみてときおり油分を補えばいつまでも元気に働いてくれるでしょう。
鋳物鉄の蓄熱性の高さと、同じ素材でできた重たいふた。この二つが作り上げる料理は、いつもの手順でも全く違うおいしさにしてくれます。煮物だけでなく、オーブン料理や揚げ物まで、汎用性の高い南部鉄器の煮込み鍋。一家にひとつ、おすすめですよ!
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