ひと口に鉄のフライパンといっても、サイズや鉄板の厚さ、形までさまざま。せっかく買ったとしても、自分の使い方に合っていなければ長くは使えません。
今回は、どうせなら長く使いたい鉄のフライパンの選びかたについて、確認したほうが良い点や注意しなければならない点をお伝えしたいと思います。
鉄フライパンの選びかた
「直径=使える面積」ではない
表面加工のフライパンと鉄のフライパンでは、その形に大きな差があります。表面加工のものは上部の直径と鍋底の直径にあまり差がなく、鍋肌が急角度で立ち上がっています。
一方で鉄のフライパンは、上部の直径は大きく取られていても鍋底はそれより小さいものが多く、実際に食材を載せて焼ける面積は狭くなります。
これが鉄のフライパン選びで一番重要なポイント。記載されている直径は、実際に使える鍋底ではなく上部の広くなっている部分なのです。これを考慮しないと、思ったよりも食材が載らなくて使い勝手が悪い、ということになってしまいます。
柄が長い
製品により差はありますが、一般的な鉄のフライパンの柄はかなりの長さがあります。表面加工のものとは比べものになりません。収納には場所を取りますし、コンロに載せたときに引っ掛けないように注意が必要です。
そのような悩みも多いため、柄を短めにしたものやオーダーメイドで指定できるものもあります。これも置き方、使い方に合わせて邪魔にならいものを選びたいですね。
柄の取り付け方法や角度にも違いが
柄の取り付け方や取り付け角度も製品ごとに違いがあります。一般的なものはリベット留めで、フライパンから立ち上がるように柄を取り付けてあります。
これについても自分の好みに合わせて選ぶ必要があります。まずは取り付け方。リベット留めだとどうしてもそこに汚れがつきやすくなってしまい、気になる人は気になります。
一方、溶接で柄を取り付けているものもあります。僕の愛用の鉄のフライパンはこれなのですが、凹凸がなく洗いやすい。でも溶接の製品がたくさんあるかといえば、そうでもありません。
そして大事なのが、柄の取り付け角度。本体から立ち上がるように取り付けられているものだと、蓋を閉められない、重ねて収納しにくい、という不都合がある場合も。選ぶときは柄の付け根もしっかりチェックしてください。
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鉄板の厚みも重要
サイズ、形ともに希望のものがあった!よし買おう!という前にもうひとつ大事な点が。鉄のフライパンの力を発揮するには、それなりの厚みがないといけないのです。
鉄のフライパンの魅力は、その高い蓄熱性。薄っぺらいものだと、その効果を十分に感じることができません。しかし厚ければ厚いほどいいかといえば、そうではありません。
鉄のフライパンは結構な重量。特に女性の方にとっては、表面加工のものとの差は辛いと思います。ただでさえ重たい鉄のフライパン。厚さが増せばそれにともない重量もどんどん増えます。
フライパンの重さの違いは、フライパンを振れるかどうかだけではありません。料理を盛り付けるときには食材の重さも加わりますし、洗うときにも重たさが邪魔をします。
自分の許容できる重さを超えてしまうと出すのも洗うのも億劫になり、鉄のフライパンはしまわれっぱなしという残念な結果に。ですから鉄板の厚さは、料理の仕上がりと使いやすさの間で折り合いのつく厚みであることが大切なのです。
柄の材質にも好みが
先ほど柄の取り付け方法と角度の違いについて書きましたが、柄の材質についてもそれぞれの好みが分かれるところ。僕は経験上、鉄の柄でも熱くなったことがないのでこれでよかったと思っていますが、心配な方は木の柄がいいかもしれません。
でも木の柄にも弱点が。鉄と接している部分は常に熱が伝わります。なのでどうしてもダメになりやすく、長く使う場合は交換が必要になります。
他にも柄だけ違う金属の素材を使っていたり、同じ鉄でも中華鍋のように中空に仕上げてあるなんて製品も。それぞれ特長や好みがあるでしょうから、これもよく調べて決めたほうがいいでしょう。
使いはじめの空焚き不要のものが便利
鉄のフライパンは、通常は錆び止めの塗装を施された状態で売られています。ですから、使いはじめる前に長時間空焚きをし塗料を焼き切るという作業が必要です。
以前ならこの作業も火に掛けておくだけで問題なかったのですが、最近の新しいコンロにはセンサーがついており、高温になると消火してしまいます。この焼き切りがうまくいかないのです。
そこでおすすめなのが、空焚き不要の製品。洗剤で洗って油馴らしをするだけで使えるものなども売られています。でもやはりそれも、選択肢が多くありません。
鉄のフライパンのハードルの高さは焦げや錆びもありますが、実はこの何を選んでいいのか分からない、という部分も大きいのではないでしょうか。
鉄のフライパン自体それほど種類が多いわけではないので、希望の条件をすべて満たす製品を探すのは難しいかもしれません。自分の中で譲れない部分と許容できる部分を天秤にかけ、希望に近い製品を見つけてください。
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