鉄のフライパン。錆びたり手入れが大変そう、焦げつきそう・・・。皆さんはそんなイメージをお持ちではありませんか?
実は僕も、以前はそんな中のひとりでした。でもふとした拍子に鉄のフライパンを使い始め、その魅力にどっぷりとハマってしまいました。
今回は、そんな鉄フライパンのたくさんの魅力について、愛用歴8年の僕がお伝えしていきたいと思います。
鉄のフライパンが持つこんな魅力
「焼き目」が旨い!
これまで、「焼く」という調理法について深く考えたことはありますか?
僕は長いあいだ、当たり前にフッ素加工のフライパンで「焼く」という調理を行ってきました。それについて気にしたり、深く考えたりということは全くありませんでした。
ですが、お店で食べるステーキやハンバーグ、餃子の味の違いについて感じたことはありませんか?お店のものは香ばしくジューシー、パリッと焼けていたりします。
それはプロだもん、家とは違うのは当たり前。僕もそう疑いもせずに信じていました。しかしそれは違う。鉄のフライパンを使い始めて、はじめて気がつきました。
鉄のフライパンでお肉や魚、野菜を焼くと、ものすごく美味しくなってくれるのです。理由については追ってご紹介しますが、まず一番強く感じることが、「焼き目」がきちんと付くことなのです。
皆さんも、表面加工のフライパンでステーキや野菜炒めを作ったときに、焼き色があまり付かず蒸し焼きのような状態になったことはありませんか?
表面加工のフライパンだと強火は使えないですし、そもそも焦げつかないように加工されているものですから、「美味しい焼き目」を付けること自体が難しいのです。
その点、鉄のフライパンならば強火でも使え、食材と程よく鉄肌が接することでこんがり香ばしくパリッとした「美味しい焼き目」を簡単に付けることができます。
焼き目には食材の旨味がギュッと凝縮され、料理に香ばしさを演出てくれる。いわば焼き物の肝、一番美味しいともいえる重要な部分。これがあるのとないのでは、焼き物の味わいが全く変わってしまいます。
その「焼き目」が簡単に付いてくれる、鉄のフライパンにはそんな力があるのです。そして意外と「焦げる」ことはありません。鉄の蓄熱性が、急激な温度変化を抑えてくれているからなのでしょう。
短時間で芯まで火が通る
鉄のフライパンというと、強火が使えるというイメージが強いもの。だから手早く調理ができる、そう思われている方もいるかもしれません。そして熱伝導が良い、と誤解されがち。
鉄は、熱伝導は良くありません。逆にそこがいいのです。鉄のフライパンを使うときにはしっかりと予熱し、温めておきます。その作業は油の馴染みをよくするとともに、フライパンにしっかりと熱を蓄えさせる作業でもあるのです。
よほどのことがない限り、鉄のフライパンを強火で使うことはありません。ほとんどが中火以下で事足りてしまいます。それはなぜか、予熱されたフライパンは食材を載せても温度があまり下がらないから。
これこそが熱伝導の悪い鉄ならではの特長。しっかりと予熱しておけば、食材に鉄の蓄えていた熱をしっかりと伝えてくれます。そうすると、驚くほど短時間で芯まで火を通すことができるのです。
短時間で仕上げることの何がいいのか。それはもちろん、余分な水分が出ず、肉魚ならふっくらジューシーに、野菜ならシャキッとしあがることです。
そして美味しくなる以外にも、もう一つの効果が。それは先ほど少しふれた、「焦げない」ということ。焦げつく前に火が通ってしまうので、焦げるまで焼く必要がないのです。
火力に頼らず熱量に頼る。これが鉄のフライパンの持つ力そのもの。
やっぱり強火OKの誘惑
表面加工のフライパン、強火禁止と頭では分かっていてもついつい強火に掛けてしまいませんか?せっかちな僕は、ダメと知っていてもついついやってしまっていました。
表面加工の安全性等については、僕は特に気にしていません。でもこの強火禁止がイライラして仕方なかった。そしてやっぱり、すぐ加工がダメになる。その点鉄のフライパンなら心配ありません。本能の赴くままに強火で予熱OKです。
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コンロ掃除がラク
これは意外な感じがしませんか?鉄のフライパンは油が必要ですし、ジュ~というあの音が醍醐味である反面、それだけ油がはねているのですから。
実際油ははねます。それも結構盛大に。なのではじめて鉄のフライパンを使ったときは、後片付けする前のコンロを見て心が折れたことを思い出します。
しかしいざ掃除をしてみると、濡れ布巾で2回拭くだけで油残りなし。これにはびっくり、衝撃的でした。細かい理由は分かりませんが、よく観察してみると何となく違う点が。
表面加工のフライパンの場合、焼いているときに油と水が反発しあい、その勢いで油が玉になってパチンパチン、と飛びはねるような感覚です。
鉄のフライパンの場合、水分が水として鍋肌に滞ることはなく、水蒸気としてどんどんと蒸発していきます。その際に乳化した細かい油の粒が付近にはねる、といった感覚。
この差がきっと、拭き取りやすさの差なのでしょう。これは本当に使ってみるまで考えもしなかった嬉しい誤算。おかげで油はねを気にせず、焼いたり炒めたりができるようになりました。
音と香りの「料理してる感」がすごい
もうこれは自己満足になってしまうでしょうが、やっぱりあのジュ~~~!という音は、料理してるぞ♪という気分にさせてくれます。料理ってただ作るだけでなく、楽しまなくちゃ。毎日のことですからね。
そして音と共に立ちのぼる香りがまた最高。食べる前から食欲を刺激するいい香り。作っている本人だけでなく、ご飯を待っている家族も嬉しいのではないでしょうか。
買い替えの手間やお金が掛からない
先ほど、表面加工のフライパンは強火でダメになると書きました。しかし、中火以下を守っていても、いずれ寿命は来てしまうもの。お高い製品でもそれは変わりません。
あれ?ひっつくようになった?そう思ったそばから買い替える余裕なんてありません。大体は自分とフライパンとの根くらべになってしまうものです。そして必ず人が負けて買い替える。
表面加工のフライパンが快適に使える期間はそれほど長くはありません。一度違和感を覚えた後は、常にイライラと隣り合わせの調理になってしまいます。
そして我慢の末に買い替える。何年も持たない表面加工のフライパンとの戦い、一生のうちに何度繰り返せばいいのでしょうか。僕が鉄のフライパンを手にした最大の理由がこれでした。
鉄のフライパンなら、ひどい焦げや錆びにさえ気をつければ、家庭での使用ならば一生ものと考えてもいいかもしれません。何せ鉄ですから、耐久性はお墨付き。
そしてお値段も意外と手頃。ピンキリですが、僕の持っている山田工業所と釜浅商店の共同開発のものでも、サイズによりますがどれも5000円前後。買い替えを考えれば、意外と安くありませんか?
鉄のフライパン。食わず嫌いならぬ「使わず嫌い」はもったいない!相性があるので一概には言えませんが、もう僕は死ぬまで手放せない。というより、きっと死ぬまで丈夫に持ってくれているはず。
鉄のフライパンを育てる、そんな意気込みなんていりません。普通に使えば料理を数段美味しくしてくれるとなれば、嫌でも使いたくなりませんか?僕は自信を持って、鉄のフライパンをおすすめします。
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