愛用者が考える南部鉄瓶を快適に使うコツ | 日々是鉄力

愛用者だからわかる「南部鉄器鉄瓶」を快適に使うコツ

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南部鉄器メーカー及源南部盛栄堂の鉄瓶でお湯を沸かす 使い方

どんな角度から見ても美しいフォルム、肌に施された繊細な紋様。無骨な印象がある南部鉄器ですが、とりわけ工芸性の高い鉄瓶。お値段も少々張ることもあり、取っつきにくいイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

僕も最初はそう思っていました。ですが思いきって手に入れてからもう7年、飽きもせず毎日鉄瓶でお湯を沸かす日々を送っています。見た目の良さもさることながら、はっきり言ってお湯が旨い。これこそが美しさと機能を兼ね備えた伝統の技、というものなのでしょう。

ミネラルウォーターで湯垢を早く!とか、お茶で拭いて黒光りする肌を、とか。鉄瓶のことを調べるといろいろ手間がかかりそうな情報が出てきがちですが、正直言えば僕はそんなことは全くせずに使い続けています。

やかんのように普通にお湯を沸かすだけ。そのときに少しだけ、本当に少しだけ注意することがあるだけ。面倒くさいイメージが先行する鉄瓶ですが、僕流のズボラ使用法についてお伝えしていきたいと思います。

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南部鉄器の鉄瓶を快適に使うためのこんなコツ

内部は絶対洗うな!触るな!

油分を全く使用せず、ひたすら水分と接しつづける鉄瓶。鍋や鉄板とは使い方が全く違うため、買う前は錆びさせてしまうのではないかと不安ばかりでした。ですがさすがは茶釜から発展した南部鉄器、そこは先回りして伝統の技で防いでくれているのです。

その伝統の技というのが、金気止めといわれる技法。メーカーによる違いなどがあるのでここでは割愛しますが、鉄が酸化して錆びないようあらかじめ内部に薄い被膜を作ってくれています。その金気止めが使い続けていくうちに湯垢へと入れ替わり、ひどい錆から鉄瓶を守ってくれるのです。

その金気止めにしろ、水のミネラルの結晶である湯垢にしろ、非常に繊細な被膜。洗剤等を使って洗ってしまえば、あっという間に消え去り鉄肌がむき出しになってしまいます。また触れてしまうと被膜が取れるほか、指の水分や油分、塩分などが付着し、結果錆びやすくなってしまいます。

鉄瓶の内側はとても繊細なバランスで成り立っている。そう書くと難しいように聞こえますが、洗うな、触るな、という点を守るだけ。逆に言えば普通の使い方をしていれば洗ったり触ったりする場面が見当たらないので、余計なことはせずただ普通に使えばいいのです。

ガス火を使うならお手入れが必要

昔は炭や薪が主な燃料でしたが、今は火といえばガスという家庭がほとんどでしょう。ガスは燃焼するときに水蒸気を発生させます。これがじわじわと鉄瓶の肌を錆びさせる原因に。

ガス火で赤みを帯びる鉄鋳物
これが実際に、ガス火でガンガン使い続けている僕のグリルパンの裏側。こうして見ると赤みが結構浮いています。グリルパンなら最悪焼きこんだ後に油を塗ってしまえば黒さを取り戻してくれますが、鉄瓶となると表面とはいえ油を塗るわけにはいきません。

ひどい錆にまで発展しなければ、赤みを帯びていても使用には問題ありません。ですが目に触れる機会の多い鉄瓶、赤茶けてボロボロだとちょっとかわいそう。そんなときは使用後熱いうちにお茶パックやお茶を含ませた布で拭いてあげれば、成分であるタンニンの作用で黒さが戻ってきます。

でもうちは、鉄瓶の購入時はほとんどお茶を飲む習慣がなかった。だからお茶で手入れというのも面倒くさい。ということで、結局ガス火ではなく電気コンロを買いました。コンロ自体も安いものですし、赤々と光るニクロム線の温もりやほんのり漂う昭和感も、お湯を沸かすひとときの愉しみになっています。

水やお湯を入れたまま放置しない

これは他の鉄製品にも共通していえることですが、鉄瓶に水やお湯を入れたまま放置すると錆びてしまいます。鉄鍋なら錆を落として油を塗って焼き込めば復活することもありますが、鉄瓶はそうもいきません。

対処法もあるにはあるようですが、まずは錆びさせないことが第一。ですから、水を入れたら火にかける、お湯が沸いたらポットへ移す。この習慣だけは、忘れずに身につけてください。

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湯沸かし以外には使わない

鉄瓶でお湯を沸かすと、おいしい白湯になる。何の味付けもしていない水を沸かすので、ちょっとした違いが味にすぐに表れます。中には鉄瓶でお茶を煮出したり、お酒を直に温めたりすることもあるようですが、その後の影響を考えて僕は試したことはありません。

また、鉄瓶にお銚子を入れてお燗するという使い方も目にしたことがあります。ですが先ほど書いた通り、防錆の被膜はとても繊細。こすれてそこから錆が広がることが怖くて、これもまた試したことがありません。

これはあくまで僕としての自分的こだわり。そのような使い方を否定するわけではありませんが、僕は鉄瓶を湯沸かし専用にしています。そうすれば、変に気を使うこともなく気楽に使い続けられます。

鍋つかみやふきんで手を守る

これまで素手で持てるようなやかんを使っていたので、使い始めた当初は本当にやけどにだけは注意しました。

つるは熱くならないよう工夫されている製品もありますが、注ぐときにふたの隙間や口から立ちのぼる湯気のとにかく熱いこと。つるが素手でつかめたとしても蒸気の熱気は防がなければならないので、やはり鍋つかみやふたを押さえるふきんが必要となります。

注ぐときは必ずふたをする

今書いたとおり、鉄瓶で沸かしたお湯からはものすごい勢いで蒸気が立ちのぼります。その量と熱たるや、初めて体感したときには驚きました。その危ない蒸気を抑えるため、注ぐときには必ずふたを使用してください。

とはいっても、鉄瓶のふたには空気穴が開いていないことがほとんど。全閉してしまうとお湯が出てこないだけではなく口から勢いよくお湯がふき出すので、少しずらしてふたをするようにします。

お湯のふき出しにには要注意

僕は比較的短時間でお湯が沸くよう、ふたをずらして火にかけています。すると中の状態があまり見えないので、気づいたときにはお湯が溢れてしまうこともしばしば。今でもよくやってしまいます。またふたをせずに沸かした場合も、勢いよく沸騰した状態でふたしたときに口からお湯がふき出すことも。

南部鉄器の特長は、蓄熱性の高さ。火加減のレスポンスが遅れてくるので、あっ!と思ったときにはもう手遅れ。そうなった場合でも、慌てず火を消せば大丈夫。焦ってお湯に触れてしまいやけどする。これが一番注意しなければならないポイントです。

お湯が鉄臭くなければ赤くなっても大丈夫!

南部鉄器メーカー及源南部盛栄堂の鉄瓶赤い湯垢の付いた内部

これが5年ちょっと使い続けてきた、僕の愛用の鉄瓶の内部。一見、錆びているように見えるかもしれません。でも沸かしたお湯が鉄臭くなければ、全然平気。気にすることなどまったくありません。

僕も使いはじめた当初は、赤い斑点が出るだけで一喜一憂していました。でもその斑点は必ず出るもののようだし、そのうち白い湯垢がつくから平気と気を落ち着かせていました。

でも使えば使うほど、白い湯垢は見あたらず赤みが増してゆく。これって、僕の使い方がおかしいのだろうか。しばらくはそんなことで気をもんでいました。ですが気づけばもう7年。これまで一度もお湯が錆び臭くなったことはないので、結果オーライ、この使い方で大丈夫なのでしょう。

こう書きならべてみると結構なボリュームになってしまいましたが、まとめてしまえば注意点なんてわずかなもの。中は洗ったり触ったりしないでね。水やお湯を入れっぱなしにすると錆びちゃうよ。蒸気やお湯がふき出すことがあるからやけどには十分注意。ただこれだけのこと。

繊細で気難しそうなイメージのある鉄瓶ですが、鉄鋳物の特性さえ知っていれば大丈夫。僕もすき焼き鍋で南部鉄器の扱いやすさを知ったからこそ、鉄瓶を買う勇気が出ました。

単なるお湯が、おいしくなる。沸かす姿も、温かい。ただの道具の範疇には収まらない南部鉄器の鉄瓶。見て楽しい、飲んでおいしい鉄瓶のあるくらし、一度経験してみませんか?

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