どうしても「錆びる」というイメージが刷り込まれてしまっている鉄の中華鍋。油を塗って保管というのが一般的ですが、どうしても害虫や油の酸化も気になります。油を塗ると、重ねて保管もできませんし。
実際に僕も鉄の中華鍋を愛用するまで、錆びる、ベタベタ、そんなイメージを抱いていました。元はといえば、格安で衝動的に手に入れた中華鍋。キッチンを汚すのは嫌だったので、当初から油を塗らずに保管してきました。
そんな面倒臭がりのズボラな僕が、いつも適当にやっている鉄の中華鍋のお手入れ方法についてお伝えしたいと思います。シンプルで簡単なことですが、20年経った今でも我が家の鉄の中華鍋は錆びずに焦げずに現役でいてくれています。
意外と簡単!鉄中華鍋のお手入れ
亀の子束子、やっぱり最強!
鉄の中華鍋を洗う道具としては、スポンジや竹のささら、スチールウールにたわしなど、様々な道具が向いているという情報が飛び交っています。ですがそれぞれ向き、不向きがあるので、使ってみての僕の実感をお伝えしたいと思います。
まずはスポンジ。とにかく気になるのが、その耐熱性。鉄の中華鍋は使い終わってまだ熱いうちに洗うことが多いため、スポンジだと鍋肌に触れた部分が溶けてしまうという心配があります。
更にスポンジは、洗剤を使ってなんぼの道具。洗剤を使用しなければ細かい穴に油が入り込み、ただ単に油を塗り広げるだけで全然きれいにはなりません。ですがあのかたいたわしの部分は、ちょっとした焦げをピンポイントで落とすにはとても便利。
次は竹のささら。初めて鉄の中華鍋を購入後、しばらくは使い続けていました。かたさがあるので汚れや多少の焦げには強いのですが、細かい部分の洗い残しがとにかく多くて。そしてそのかたさから、強くこすりすぎると鍋肌に傷がついてしまいます。
続いてはスチールウール。これについては僕は試すことはありませんが、想像しただけでも鍋肌に悪い印象。表面の傷つきが錆びへと繋がりますから、日々のお手入れでの使用は避け、ひどい焦げつきからリセットしたいときに使うとよさそう。
そしてやっぱりお勧めしたいのが、昔ながらのたわし。数ある束子の中から、はじめはやわらかく鍋肌に優しいシュロの木のものを使ってみました。かたすぎずしなやかさがあり、それまでのたわしのイメージからはかけ離れた優しさでした。
ですがなんとなく、汚れ落ちが物足りない。ほとんどの汚れは落ちますが、ちょっとしたこびりつきが全然落ちてくれない。いつも洗いあがりには手で触って確認し、こびりつきがあれば爪でカリカリと取っていました。
最終的に落ち着いたのが、昔からある王道の亀の子束子。鍋肌全体の汚れをしっかり残さず落としてくれ、多少強めにこすっても鍋肌は全く傷つきません。
耐久性もあって、お店で手に入りやすい。使用後にしっかりすすげば、たわしにありがちなゴミが詰まるといったこともありません。更に野菜の泥落としにも使えるので、結局昔ながらの亀の子束子が僕の愛用品となっています。
洗剤は使わない
調理後温かいうちにすぐ洗う。このことだけ気を付けていれば、洗剤を使う必要はありません。逆に洗剤を使ってしまうと、鉄の中華鍋に必要な油分までも奪われてしまいます。心配な油や汚れ残りについても、鍋が温かいうちに水で洗うだけでしっかりきれいになります。
要するに大事なのは、使ったらすぐに洗うこと。酸や塩分でも鉄は錆びてしまうので、調理後はすぐに洗い流します。洗剤もいらないので、かかる時間はあっという間。食後に洗いものを残さないためにも、これだけは習慣づけたほうがいいでしょう。
基本は水で十分。頑固な汚れはお湯で。
鉄の中華鍋の洗いかたで、「ぬるま湯を使用」というものをよく目にします。僕もはじめはきちんと守っていましたが、使っていくうちにだんだんと面倒くさくなってきてしまいました。だって、お湯になるまで時間はかかるし、それまで流しっぱなしにする水ももったいないし。
なので試しに水洗いをしてみました。すると全くなにも問題なし。調理後すぐの熱いうちに洗うため、余熱で汚れも落ちやすくなっています。熱い鍋に水を入れるのですから、結局はお湯になるということ。結果汚れも油も、残りなし。余分な時間も水も使わずに済みます。
それでもしょう油やみそなどの調味料や、細かい肉や卵などがくっついてしまうこともあります。これは時間がたって冷えるとかたくなり、より頑固になってしまいます。そんなときは素直にお湯を使ったほうが便利。
そうといっても、給湯器を使う必要はありません。中華鍋に水を入れ、コンロに掛けて温めるだけ。こうすれば必要な分だけぬるま湯が使え、鍋も温まって汚れ落ちがよくなり一石二鳥。時間や水をムダにすることなく洗えます。
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焦げやこびりつきは残さずしっかり落とす
これはとても大事なこと。焦げた部分にさらに焦げが付き、どんどん焦げやすくなるばかり。強火で使う鉄の中華鍋は、気を付けないと本当に焦げてしまう。洗いあがりには手でなでて確認し、焦げやこびりつきはきちんと残さず取り除いておきましょう。
こすりすぎに注意
焦げつきこびりつきを毎回確実に落とすことは大事ですが、それでもこすりすぎは禁物。鍋肌を傷つけてしまうと表面の膜が取れ、そこから錆びてしまいます。その錆びが新たな錆びや焦げつきを呼んでしまいます。
ですから、普通にこすって落ちない場合は、お湯で洗う。それでもだめなら水を入れ、しばらく煮てふやかしてみる。そんな手順を繰り返しつつ、こすらずに落とす工夫が必要です。
洗ったあとは空焚きを
せっかく汚れやこびりつき、油残りもなくきれいに洗っても、濡れたまま置いておいては錆びてしまいます。洗ったあとはすぐに火に掛け、水気を飛ばしましょう。そうするだけで、錆び対策は完了。水分さえ取り除いてしまえば、鉄が錆びることはありません。
保管は基本的に油を塗らなくても大丈夫
僕がまだ若かりしころに買った、思い出の中華鍋。このサイトで使っている画像は、全て僕の愛用品。もちろんここに登場している中華鍋も、そのひとつ。
20年間、それほど高くない頻度で使ってきましたが、意外ときれいにキープできているでしょ?これも普段は油は塗らずに、空焚きするだけ。手入れなんて、そんな簡単なことで済んでしまうのです。
ただし、極ごくまれに油を塗るときも。僕は鉄の中華鍋で炒める以外にも、煮る、茹でるという油を使わない使い方もしています。それが何度か続くと、さすがに油分がなくなり鍋肌が荒れてきます。
そのようなときは、パッと見てすぐに分かります。人の肌と同じくカサカサになって艶がなくなり、白っぽくなってきます。そうなったら油を塗るタイミング。塗るといっても1滴2滴垂らし、キッチンペーパーでなじませるだけ。これでもう十分、この程度の量なら保管するにしてもあまり気になりません。
いかがでしたか?鉄の中華鍋のお手入れ、大変そうに見えますか?
まとめてしまえば、使ってすぐに亀の子束子で洗い残しがないようにしっかり洗ってね!洗ったあとはすぐに火に掛けて乾かし、鍋肌が荒れたときだけ油を補給してね、ただこれだけのこと。
これが習慣化してしまえば、洗剤使ってぬるぬる落ちないフッ素加工とはもうおさらば。本当に気が抜けるくらい、簡単なのです。
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