維持が難しいというイメージのある鉄のフライパン。買った直後やしばらくしてからの感想は見かけますが、数年経ってからの使用感に関する情報は意外と少ないもの。
そこで鉄のフライパンを使い続けて8年経過した僕が、使うほどに深まる魅力や使い続けたい理由、気付いた点について挙げていきたいと思います。
鉄フライパンを8年使ってみて
焦げつくことはまずない
鉄のフライパンを買おうと考えたとき、一番気になる点はこれではないでしょうか。もう本当に鉄のフライパンには焦げつき、こびりつきのイメージがつきまとう。でも、それって本当にほんとうなのでしょうか?
確かに、予熱や火加減を間違えれば焦げつくこともあるでしょう。ですが、それさえ守っていれば経験上まず焦げつくことはありません。
詳しいことは鉄フライパンを快適に使うコツの記事をご覧いただきたいのですが、本当に気をつける点は少ないものです。
たしかに、焼きそばなどはくっついてしまうこともあります。でもそれはあくまでくっつく程度であり、僕がこれまで使用してきた中では焦げついたことは一度もありません。
鉄のフライパンだって適切な使い方をすれば、普通に使えます。きっとその感覚をつかむ前にひどい焦げを経験し、このようなイメージが定着してしまったのではないでしょうか。逆にいえば、鉄のフライパンは適切な火加減を教えてくれるのです。
大小2つあると便利
これは表面加工のフライパンでもいえることですが、フライパンは大小2つあったほうが便利です。特に鉄のフライパンは大きさの差が出やすい、というのが僕の実感。
大は小を兼ねるといいますが、例えば少ない卵で玉子焼きを焼くときなどは、大きい鉄のフライパンではなかなかうまくいきません。表面加工のものと違ってするすると成形することができないため、フライパンの大きさの通りの平べったい玉子焼きになってしまいます。オムレツなどもそう。
逆に小さい鉄のフライパンしかない場合、ステーキなど表面積の大きいものを焼くときに困ります。鉄のフライパンは表面加工のものに比べ、鍋底のサイズが小さいものが多いのです。例えば同じ22cmのフライパンでも、使える面積は鉄のフライパンの方が格段に少ないのです。
ですから、一人暮らしではなくお料理をそれなりにするならば、大小2つの鉄のフライパンを持っておくと便利かと思います。重ねてしまえばそれほど場所もとりませんからね。
片付けがラク
使った後のフライパンの油汚れやぬるぬる、気になりませんか?僕も表面加工のフライパンを使っていたときは、洗剤で二度洗いすることもありました。それほど奴らは頑固ですから。
でも鉄のフライパンは洗剤不要。使ったすぐ後にまだ温かいうちに洗うのが基本。亀の子束子でしゃかしゃか洗えば、油も多少のくっつきもすぐ取れてしまいます。本当に洗い物がラクになりました。これも鉄のフライパンを手放せない大きな理由のひとつ。
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掃除がラク
これについては鉄フライパンの魅力でも触れましたが、本当にコンロ周りの掃除がラクになりました。
鉄のフライパンは油を使うし油はねも激しそう。それなのにコンロ掃除がラクってどういうこと?と思われそうですが、こればかりは実際に使って実感しないとピンとこないかもしれません。水拭き2回で終了。ステーキでもハンバーグでも、もうこれで十分きれいに油が拭き取れます。
手荒れしなくなった
洗剤を使わない、コンロ周りの掃除もラク。ということで洗剤を使う量が減り、そのため手荒れも軽減されました。もちろん食器を洗うときは洗剤を使っていますが、実感としてだいぶ差が。これまでフライパンにどれだけ洗剤をぶっかけてきたんだろう、そう思ってしまうほど。
持ち手は熱くなりにくい
僕の愛用の鉄のフライパンは、持ち手も鉄でできています。ですから最初はふきんが必要かな?とも思いましたが、これまで家庭の火力で使って持ち手が熱くなったことはありません。鉄のフライパンは持ち手が長いものが多いので、家庭のコンロ程度だったら熱くなる前に放熱してしまうのでしょう。
鍋つかみやふきんを使うとなると、ちょっとのことですが意外と面倒。それがないというのもストレスなく使える理由のひとつ。もちろん、場合によっては熱くなる可能性もあるのでご注意を。
使うほど愛着がわき相性がよくなる
結局はこれなのかもしれませんね、鉄のフライパンの魅力って。手にするまではものすごく取っつきにくいイメージですが、実際使いはじめてみると意外とそれほど難しくはありません。
でもまったくコツがいらないかといえば、そうでもない。たまに失敗をはさみつつ、ちょっとずつ経験を積んでクリアしていく。なんとなくゲーム的な楽しさもあります。
そしてやっぱり、買い替え前提ではないという相棒感。表面加工のフライパンだと、ダメになってくるとどうしても買い替えに意識がいってしまいます。そんな道具で料理しても楽しくないですよね。
たしかに、鉄のフライパンは最初は気むずかしい面もあるかもしれません。ですが鉄のフライパンの声に耳をかたむけ、次第にうまく使えるようになってくる。そして、自分が鉄のフライパンに合わせていたのが、気がつけばこいつじゃなきゃ焼けねぇな、と思わせる相棒になってくれる。そうなってしまえば、もう一生ものといってもいい間柄。
おぉ、自分で書いておいて我ながら気持ち悪い。でもしかたない、僕が鉄のフライパンと8年間過ごした素直な感想。もうすっかり惚れ込んでしまいました。
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